鉄腕アトム(1963)をちびちび見てたまに紹介。 68話 誰がために壁は空く
■鉄腕アトム(1963) 第68話 時計塔の秘密の巻
暗闇をサーチライトが照らす中、空港に一機の航空機が到着した。夜のフライトを終え、乗客たちは思い思いに席を立っていく。そんな乗客たちの様子を、静かに観察している女がいる。女は写真を手に、二人組の男を探しているようだ。しばらくして、その二人組が機内から現れた。女は近づき語り掛ける。
「テンポ博士ですね?お迎えに参りました。こちらにどうぞ…」
3人を乗せた車は、夜の街を走り抜け、街中の寂れた時計台の前で止まった。近くの住民にはもっぱらお化け屋敷と呼ばれているその不気味な時計台は、10年前までは時計博物館だったようだ。中では無数の時計が、それぞれ止まった世界の時間を示し続けている。
3人は時計台の中に大型の望遠鏡を設置し、中を覗き込む。
「フフッ、これはいい。我々のために作ってあるようなものだ…」
3人の覗く、その先には、お茶の水博士が長官を務める科学省が悠然とそびえ立っていた。
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