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佐藤のこなみかん

アニメのこなみかんを書いていきます。ほんとにこなみかんです。

鉄腕アトム(1963)をちびちび見てたまに紹介。13話、子供は親に叱られると従っちゃう?

鉄腕アトム(1963) 13話キリストの目の巻 絵コンテ山本暎一

 

嵐吹き荒れる夜、教会を襲った7人の謎の覆面集団。

覆面集団は神父を監禁し教会内でコソコソと何かの作業を始めるが、外に出ていた用務員が異変に気付き早鐘を鳴らして街へと助けを求める。

教会からの早鐘を聴いたアトムは現場へと駆けつけるがすでに神父は撃ち殺され、覆面集団は逃げ出した後だった。

教会の外を見張っていた用務員は言う。7人が来て6人だけが出て行ったと。

7-6=0。消えた一人の行方を、キリストの目は見ていたのだろうか?

 

 今回はとてもミステリーチックなお話です。嵐の協会のシーンから始まるのがそれ系の雰囲気出ていてとても素敵ですね。これだけで開幕から思わず何か違う気配を感じてしまいます。

で、まぁ犯人たちの思惑とかも楽しい話ではあるんですが、今回の見どころはそちらではなくてアトムと父親の関係についてになります。

 

警察からの帰り道、行き倒れになっていた人から「誰にも渡すな」と謎のトランクを託されたアトム。そのトランクを家へと持ち帰り、その正体へと思いを巡らせていたアトム一家の元に謎の女性が現れる。

「それを返してくださいなアトムさん。盗まれて困っていたんです。」

女が悪者でないかと疑うアトムは申し出を断ると女は突如アトムへ銃を向ける。当然返り討ちにし追い返すアトムだったが、事情を分かっていないアトムのお父さんは女性に乱暴したアトムを厳しく叱る。

「どうしてそんなに逆らうんだアトム!」

「誰にも渡すなって言われたんだよぉ…」

「お父さんのいう事が聞けないのか!そんな子はうちの子じゃないぞ!」

父親に叱られたアトムは滝のような涙を出し、泣き崩れる。父親はトランクを警察に届けようと出かけるがその途中で謎の集団に襲われてしまう。アトムが父親の居場所を探し当てた時、父親はボロボロにされトランクは奪われた後だった。

「どうしたのお父さん。僕が逆らったからなの…」

 

いやぁ、中々壮絶なお話ですね。まぁ玄関先で銃持った女追い返しただけで父親キレるなよと言いたい気持ちでいっぱいではありますが、いつの世も親は子供のことをなんも見てないうちに叱ってしまうものなんだってことなのかもしれません。叱られて泣くアトムの姿もまさに壮絶。もう全方位に涙を飛ばしてまさにオールレンジの滝。アトム役の清水マリさんの熱演で見ているこっちまで悲しさでオールレンジ涙しそうになります。さらに父親が無残な目に合ってしまったのを目の当たりにしてそれを自分の責任だと感じてしまうところ。このシーンは子供の自罰精神(?)が極端に分かりやすく描かれていて目を見張りました。父親が襲われたことは本来はアトムがお父さんに言い返したことが原因ではないのに、全て自分の責任のように思えてしまう。ここまでクッキリと子供特有の間違った心理を描いた展開ってのもそうそうないんじゃなかろうかと思います。あれだけ地球の希望といわれたアトムも心はまだ子供だったのだと痛感します。

 

 

「お父さん、僕いい子になります。お父さんの許しがなければどこへも行きません。」

 

犯人のアジトを突き止めた髭おやじに危険が迫る。アトムに救援の依頼が来るがアトムはいい子になるという約束を父親と交わしていたために飛び出すことが出来ない。

板挟みに悩むアトムに対し父親は言った。

 

「さぁ何してるんだアトム。早く行きなさい」

「え!行ってもいいんですか!」

「お父さんは我儘だったよ。人のためにそうやって飛び出していくのがお前のいいところなんだ」

アトムは反省しすぎて父の許しがなければどこへも行かないとまで言っちゃってるのところはまた衝撃ポイント。この時代の父親観というものかもしれませんが、アトムにここまで言わせるのはビックリです。ここまでくるともう、あの無敵のアトムもお父さんには屈してしまうだという「テレビの前の皆もお父さんのいうことを聞くんだぞ」というテーマをうっすら感じなくもありません。まぁしかし、良い意味でも、悪い意味でも、いつの時代も子供にとっては親が絶対なことは否定できないのでしょう。親に自分の意見を言いたい、でも親には嫌われたくない、だから最終的には子供は気持ちを押し込めて親に従ってしまう。そういう仕組みがあることを親は理解して、今回のように親が子供を認めて後押しすることが子供にとってうれしいことなんだ、っていうのが何となく分かるお話ではないでしょうか。

 「お父さんお母さん!僕行ってきます!」

ここで例のアトムのテーマが流れてアトムが飛び立っていくわけですが、やっぱりこのテーマ最高にカッコいいです。主題歌はこう使う!っていうのがもうこの時代からすでに確立していたんですね。で、この後は本当にアトムが間に合って助かるのかハラハラする髭親父さんの九死に一生模様。「アトム、アトムぅ。サンキュううううう。」と、すんでのところで助けられて号泣してる髭親父さんが素敵でした。この回は熱演が光っててとても良いです。そして、アトムと敵ロボットの5分近い死闘(かなり敵ロボが善戦する)が繰り広げられ、遂にアトムが勝利して犯人も逮捕されめでたしめでたし。

「悪いことを天が許すと思うか?神様の目は、みーんなお見通しなんだぞ。」

…キリストは言うほど関係なかったかもしれませn