佐藤のこなみかん

アニメのこなみかんを書いていきます。ほんとにこなみかんです。

■今の、未来の小中高生に見て欲しいアニメ 第1回「デジモンアドベンチャー」

注意)前置きが果てしなく長いので紹介だけ見たい方は読み飛ばして下さい。

 

こんにちは、佐藤といいます。

突然ですが、この記事を読もうとしてくれてる人は多分皆さんアニメ好きですよね?皆さんは今なんのアニメを見てますか?

僕は今Zガンダム鉄腕アトム(最初のやつ)を見ているところです。どちらもバンダイチャンネルという月額料金の動画配信サービス(バンダイチャンネルは月1080円で見放題対象作品なら見放題)で視聴しています。

最近はこの手の月額見放題の配信サービスが日増しに進歩していて、ひと昔前と違ってアニメを見るのも飛躍的にお手軽かつお安くなりました。人気のガンダム作品であるZガンダムはともかくとしても白黒の鉄腕アトムなんてものがこんなにお手軽に視聴出来ることには本当に時代の進歩を感じます。ちなみに僕はバンダイチャンネルを中心に使っていて、これでガンダム作品や富野作品を順番に見ていきながらたまにDアニメストア(月額400円税抜き)で2000年前半の作品を見ているところです。

で、僕はこの手の見放題動画配信サービスの進歩によって

「自分自身はもうあんまり余暇時間もないけど今の学生とかは凄く楽しそうだなぁ」

と感じていて、今の子たちをちょっと羨ましくも思っていたのですが、最近ツイッターでフォローしているアニメファンの先輩も似たような事を言っていて、「やっぱりそうだよねぇ」と一人でうなずいていました。

ただ、その先輩も「今の子は古い名作もこんだけあって今放送してる作品もこんなにあって、何を見るか悩みそうだよね」という趣旨の発言をしていて、これにも僕はとても同感でした。というのも、僕自身もこの手の配信サイトで何を見たらいいのか分からなくなることが非常に多いからなのです。”ガンダム作品を順番に見る””とか”富野作品を順番に見る”とかなら、もしくはどこかで情報を得ていて見たい作品がもう決まっているのであればただタイトルを検索してクリックすれば再生されるというお手軽さなのですが、”何か見たいが特にこれというものはない”という状態だとこの手の配信サイトは中々難しいと感じています。先ほども言いましたが今僕はガンダム作品と並行してDアニメで2000年前半のアニメを探して見ているのですが、こっちは何を見たものか探すのが本当に悩ましい。サイト内で年代やジャンルで検索してもただタイトルがずらっと並ぶだけでどういうものか分からないし、「○○年代 名作」という風にグーグル検索してもその名作すら多すぎて名作の中からどれを見たらいいのか分からない。名作が多くて困るというのもおかしな話ですが、やっぱり多いと迷ってしまうのが人間というものです。(笑)

それで、僕はそういう時どうしてるのかというと、ツイッターでフォローしてる先輩の方々の話を盗み見して(直接やり取りしたりはほぼしないので…)なにか自分の中でピンと来て「これは見た方がよさそうだな」と感じたものを見ています。人が楽しそうにしてる作品ってやっぱり気になりますし、たまに”これは見とけ”と直接教えてもらえることもあります。見る前は「そんな楽しそうな作品があるのかズルいな」と思いますし、見終わって実際に面白いと「こんな楽しい作品知ってたのかよズルいな」って思っちゃうんですよね。(笑)

そうして2000年前後のアニメ探しを楽しんでるわけなんですが、最近、この楽しさは自分の中で楽しいと同時にどこか懐かしさがあるなと感じるようになっていました。僕は1990年生まれで俗に”ハルヒ世代”と呼ばれる世代だと思われるのですが(この記事書いてる時26歳です)、僕らの高校生くらいの頃はブログ文化が大流行してまして、各々が自分のブログを立ち上げてアニメの感想などを書きなぐっていた時期でした。その時期ブログが大流行したといっても、それ以前から少しずつブログ文化は定着していったものだったので、僕らが入っていく頃にはもう先輩方がアニメの感想をみっちり書き連ねたブログを作り上げていたわけです。その頃は不思議と(今より?)世代を超えた交流が多かったものですから、そこでアニメにおける先輩後輩のような関係が出来ることも多くありました。高校生やらが現実の付き合いで10歳以上上のアニメファンの先輩を持つってあんまりないように思うので、僕らの世代にはブログを通じて先輩オタクに出会って交流して影響を受けたといった人が多かったのではないでしょうか。(多分)

まぁ少なくとも僕はその口でして、その頃に先輩が楽しそうにアニメを語るのを見て「面白そうだから自分もそれ見てみよう」と思って見たものがいくつもあります。そんな経験をしているからか、今ツイッターで先輩の方々の話を見て「そのアニメ楽しそうだな!」と思えると、なんだか当時の感覚が蘇るようでとても楽しい気持ちになりますし、実際に見てみて楽しい作品だととても嬉しい気持ちになります。”何のアニメを見たらいいか分からない”という問題が一つ解消された喜びに加え、インターネットとアニメを通じて人と人との繋がりを感じて、まさに「ワクワクを思い出す」ような感じがするのです。

それで、こういった上の世代から下の世代へ楽しさが伝わっていくのってかなり大切なことだと最近身に染みて思っていたのですが、それと同時に、「僕も受け取ってるだけじゃだめだ、そろそろ伝えられるようにならないとダメだ」と思うようになりました。

僕らハルヒ世代はなんだかアニメにおける世代的なパワーが弱弱しくて、ハルヒより古いアニメのことはあんまり分からないし最近やってる新しいアニメは若い子の方が意欲的だしで、上にも下にもせっつかれてマジで立場が弱いと自分では思っていて、下の世代に発信する立場に回ることは少ないように僕は感じています。(とりあえず僕自身の感覚として)

しかし、新作アニメの製作放送と配信サービスによる旧作の見放題化の同時進行によって本当に大事なものはちゃんと伝えないと埋もれる一方であると最近ようやく気付きました。また、それと同時に「勧められてもどうやって見るんだよ!」といったことが減り、伝えることが出来る土壌がちゃんと作られつつあるとも感じています。

こうした状況の中にあることと、ハルヒから10年を迎えるという時間的な意味を踏まえると、僕らの世代が(というか僕が)弱小でもそろそろ黙っているのも良くないのかなと考えるようになりました。

配信サービスの見放題ラインナップはこれからもどんどん増え続けるでしょうから、サイトに表示されるアニメのタイトルの数はこれからもどんどん増え続けると思います。このご時世データをわざわざ残すだけでもお金と手間がかかると思いますので、残されるタイトルが増えることは誰かがそのコストに見合う価値を信じているというわけで素晴らしいことです。僕がアトムを見れて嬉しかったように、後に誰かの喜びに繋がると思います。でも、それと同時に、新しくアニメを見てみようとする人が「うわなんだこれ、めっちゃあるぞ、どうすりゃいいんだ」ってなった時に、(一応の)先輩としてほんのちょっとでも役に立てるようには僕自身なった方がいいな、なりたいなと思ったわけです。26歳にして(多分人と比べたらかなり遅い)。

というわけで前置きが本当に長くてごめんなさい。下の世代に”これだけは見ても損はさせない、時間有り余って暇すぎたらこれ見とけ”みたいな紹介をこれから僕もしていきたいと思います。これは生きてる限り長々とずっと続けていきたいと思ってます。とりあえず26歳にして第1回目書きます。

(僕の中で)記念すべき第1回目に紹介するのは

デジモンアドベンチャー

です。

 

 ■デジモンアドベンチャー 1999 全54話

デジモンアドベンチャー 15th Anniversary Blu-ray BOX

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 最近の小中学生の子らの知り合いが一切いないので全く分からないのですが、今の子たちにデジモンというものは伝わるのでしょうか。もしくは2030年、2050年、となった時にデジモンは伝わるのでしょうか。ポケモンではなくデジタルモンスター、略してデジモンです。パクリじゃないよ 僕らの世代には多くの人が知っている有名なアニメであり(多分)、これ書いてる2016年にもなお新作映画や新作テレビアニメをやっていたりするので、デジモンシリーズというのがあるらしい、知らんけど”くらいは知っていてもらえているかもしれません。このデジモンの説明を少ししますと、1990年後半に「たまごっち」という固有の携帯ゲームが発売され流行しまして、そのたまごっちは卵くらいの大きさのゲームでその中にドット絵で可愛いキャラモンスターが表示され、そのモンスターはあたかも現実のペットのようにリアルタイムで餌を欲しがったりうんちをしたりするので、それをプレイヤー側もリアルタイムに対応して育てていくというデジタルペットという概念を誕生させた携帯ゲームでした。このたまごっちはどちらかというと女の子向けであり(多分)、流行ってたわりに僕は全く詳しくないのですが、このたまごっちの可愛いキャラモンスターを男の子向けのカッコいいモンスターにし、餌やりやうんちの世話などの育成要素は踏襲しながらも、成長・進化・バトルなどの男の子大喜びの要素を盛り沢山にして出来上がったのがこの「デジモン」となります。この携帯ゲームはバンダイの狙い通りに男の子にヒットし、それを受けてそのデジモンを使ったアニメ作品も作られていきました。このデジモンアドベンチャーはその沢山あるデジモンシリーズの最初のアニメ作品であり、初代デジモンなどと言われています。以下があらすじです。

1999年8月1日。

子供会のサマーキャンプに来ていた小学生の八神太一、武之内空、石田ヤマト、泉光子郎、太刀川ミミ、城戸丈、高石タケルの7人は突然の吹雪を他の子供達から離れて、山にあった祠に隠れてやり過ごしていた。しかし、その祠の外に出た直後、日本で発生するはずのないオーロラを目撃、さらに謎の機械が降り注いだ。さらに7人の子供達はその機械の謎の力で発生した大瀑布に吸い込まれ、気がつくと未知の場所にたどり着き、そこで自分達を待っていたと言う「デジタルモンスター」と名乗る謎の生物達と出会う。

そして子供達とパートナーデジモン達の、長くて短いひと夏の冒険が始まった。

キャンプでたまたま知り合った7人の子供たち。その子供たちが突然知らない世界に飛ばされてしまう。そこでは自分たちを”待っていた”という不思議な生き物:デジモンが一人につき一匹ずついた。何も分からない世界の中で、子供たちはパートナーとなったデジモンと共に、世界を少しずつ冒険していく。

なんだか楽しそうなあらすじじゃないですか?僕はもう今これ書いただけでめちゃくちゃ楽しくなってます。ワクワクしてます。このあらすじだけでもデジモンアドベンチャーの楽しさを伝えるには充分かもしれませんが、折角なのでもう少しだけ詳しく紹介をしていきたいと思います。(極力ネタバレは避けます)

1.パートナーデジモンと共に世界を冒険

 先ほども言った通り携帯ゲームとしてのデジモンはたまごっちを踏襲してデジタルペットの”育成”をコンセプトにしていたのですが、アニメ化にあたりコンセプトをデジモンとの”冒険=アドベンチャーに変更。「デジモンアドベンチャー」のタイトルが示す通り、子供たちがデジモンと共に世界を巡るお話となっています。もちろん、本来のデジモンの育成要素をすべて捨てたわけではなく、デジモンと一緒に世界を巡る中でおしゃべりしたり(デジモンは喋れます)ごはん食べたり寝たり、時には喧嘩したりしながら子供とデジモンが一緒に成長していきます。一緒に冒険する=生活に密着している、という見方をするなら、これも原初のデジモンの魅力を最大限活かした形なのかもしれませんね。作中でも”パートナーデジモン”という言われ方が出てくるのですが、デジタルペットというとらえ方よりかは、一人につき一匹のかけがえのないパートナーというとらえ方を全面に押し出しているように思います。

また、冒険と気軽に言ってしまいましたがこのアニメの冒険はそこまでお気軽なものではありません。食べるものも寝るところもなく、周りには他に人間がおらず謎の生き物デジモンだけ。それだけでも命の危機なのに、その辺を歩けば怪獣のような狂暴なデジモンに襲われる。子供たちはパートナーと協力しながら自分たちだけでこの極限状況を生き延びなければならない。冒険ものであると同時にサバイバル物でもあるのです。

食べ物に困る、寝るところに困る、この状況に泣きじゃくる、少し勇気を出して冒険を始めれば悪いデジモンの罠にかかる、闘いに生き残るために少ない食料をメンバーの中で一番強いデジモンに優先して与えたり、時にはお金を稼ぐためにデジモンの開くお店でバイトをしたり、生き残るために子供たちは必至であの手この手を試していきます。その過酷さから子供たちの中でも幾度となく衝突が起こるのですが、それを乗り越えていこうとする子供たちの様子が本作の魅力の一つです。シリアスな衝突も多いですが、基本的には明るくて元気のある話なのでそこまでダークなアニメではありませんのでご心配なく。

 2.デジモンたちの進化

 本作を紹介するうえで外せないのがやはりデジモンの進化。デジモン

幼年期(赤ちゃん)~成長期(子供形態)~成熟期(青年形態)~完全体(大人形態)

といった段階を持っており、パートナーデジモンたちも最初は幼年期であり、冒険を通じて大切なことを何か学ぶたびにそこから1段階ずつ成長し進化出来るようになります。この新しい進化は単純にデジモンだけが成長したから進化出来るようになるわけではなく、進化出来るかどうかは子供たち側の精神の成長によって決定されます。冒険を通じて、子供たちが自分のこと、周りの人のこと、人生のこと、色々なことについて何か大事なことを知ることが出来たときに、パートナーデジモンも新しく進化出来るようになるのです。子供たちは、自分は何を知ればデジモンを進化させることが出来るのか、そもそも自分の精神とはどんなものなのか、他の子はデジモンを進化させているのになぜ自分は進化させられないのか、そういった様々な葛藤に悩みながらも冒険をしていきます。この葛藤を乗り越えた先に子供たちが何かを知った瞬間デジモンたちが新しく進化する姿は感動の一言です!

 3.カッコいいデジモン

デジモンカード グレイモン St-91 デジタルモンスター カード ゲーム リターンズ プレミアム セレクトファイル Vol.2 付属カード

可愛い奴やなんだか間抜けな姿の奴、果てはう〇こそのものみたいな姿の奴など、本当に多種多様なデジモンがいますが基本的にはデジモンはカッコいい奴が多いです。恐竜や狼、巨大な鳥など、子供たちのパートナーデジモンも進化するにつれて強くなると同時にカッコよくなったり綺麗になったりしていきます。先ほども言ったようにデジモンには段階があり、ほとんどの場合”より大人型のデジモンの方が強い”ことはデジモンアドベンチャーの特徴の一つかもしれません。ポケモンなどですと完全に進化しきってはいないピカチュウなどの可愛いポケモンでも見た目が強そうなポケモンに勝てたりしますし、後のデジモンシリーズでもこの概念は薄れていきます(子供型デジモンでも大人型を倒せたりする)。基本的に本作は見た目と強さが直結していたと思うので、カッコいいのは大体強いはずです。そういうところはポケモンより好きだなと僕は子供の頃に感じていました。まぁこの辺は男の子でも意見が分かれたり、女の子からはもしかしたらイマイチかもしれません。でもとりあえず「カッコいいのは大体強い!凄い!」ということにワクワクは出来ると思います。

ただし、本作のおそらく唯一の問題点として”戦闘シーンであんまり絵が動かない”という点があります。作画崩壊というわけではないのですが、必殺技を放つ攻撃モーションは使いまわしのいわゆる”バンク”なので、それが頻繁に使いまわされる戦闘シーンは絵の面では見どころは少ないと思われます。戦闘に至る心理描写や絵以外の演出で絵の問題を何とかしようと工夫が多く見られますし、この問題は後述の劇場版で劇的に変化したのでそこはご容赦ください。(涙)

 4.まとめ

 偶然知り合った子供たち7人が見知らぬ世界へ飛ばされる。そこで自分のパートナーデジモンと一緒に過酷なサバイバルを生き抜く。冒険の中で、子供たちが大切なことを知るたびにパートナーデジモンは進化する。苦しくも楽しい、デジモンたちとのひと夏の冒険が始まる!

長くなりましたが、デジモンアドベンチャーを短く紹介するならこういったものになります。なんだか楽しそうじゃないですか?ワクワクしませんか?

携帯ゲームのデジモンは男の子向けだったと上で書きましたが、本作のストーリーは特に男の子向け特化というわけではないので女の子でも問題なく楽しめると思います。(7人の子供たちの中に女の子も2人います)

また、ここまで下の世代へ向けてを意識して書きましたが、もしこれをお読みになっている先輩方でデジモンは見たことがない”という方がいましたら、本作を是非見て下さると嬉しく思います。90年生まれが影響を受けた作品として、この先何十年でも語られるであろう作品だと僕は思ってます。

最後に補足になるのですが、このデジモンアドベンチャーをキッカケにアニメのデジモンシリーズは数多く出ており、このデジモンアドベンチャー自体の続編も複数存在しています。この続編模様も少しややこしくなっていて、そちらは全く追っていないので詳しくどうなっているのか僕は全く分かりません。ただ、”僕らのウォーゲーム”という劇場アニメ版は本編のすぐ後に繋がるお話なので本編を見たなら必見と思われます。他の作品についてはすみませんが他の方の解説を探してください…

この記事を書いた2016年12月21日16時の時点ではバンダイチャンネルではデジモンアドベンチャー本編が見放題、Dアニメストアでは本編に加え劇場版2作(僕らのウォーゲームを含む)も見放題のようです。よろしければどうぞ。

とりあえず

デジモンアドベンチャー54話と劇場版僕らのウォーゲームは見とけ!

ってことで今回は終わりです。

思ったこと全部書いていたらこんなに長くなってしまいました。ここまで読んで下さってありがとうございます。

ブログが流行ってどうのこうの言ってたわりに文章力は全く上がってなくて本当にごめんなさい。でも、この文章で「デジモンって楽しそうだなぁ」ってちょっとでも思ってくれる人がもしいたら僕はとても嬉しいです。

それでは、一人でも新たな子供がひと夏の冒険にゆくことを願って!

 

(記事書いてる時は冬で今部屋はめっちゃ寒いです。)

 

*1

*1:ちなみに「アキハバラ電脳組」という1998年のアニメがこのデジモンアドベンチャーの元になっている?らしい?というふわっとした認識があるのですが、そちらは僕は見たことがありません。今回は僕がデジモンアドベンチャーを子供の時に見た感動を伝えることを優先し、申し訳ないですが無視します。いずれ見たいなと思ってます。