佐藤のこなみかん

アニメのこなみかんを書いていきます。ほんとにこなみかんです。

遊☆戯☆王ARC-Vを見終わって

遊☆戯☆王ARC-V』(以下アークファイブ)が全148話をもって終了しまして、僕も今日になって最終話を見終わりました。今更何か言ってもどうしようもない作品なのですが、最後になっても僕の中で謎のまま残った点が2つだけありました。後年になってから分かる日が来ることを信じて、その2点を書き残しておきたいと思います。逆に言えば、アークファイブにおいて、その2つの事柄以外は僕はどうでもよいです。


(一応補足)

元々このシリーズはキャラクター達が遊戯王というカードゲームを用いた勝負により政治体制や世界の命運を決める系のアニメなのですが、この作品ではカードゲーム自体はあまり神聖視されていません。ルールに関してとにかくひたすらにユルイといいますか、カードの勝負中に対戦相手を腕力でボコって戦闘不能にしても勝ちですし、大人数で一人を相手にして勝負してもよいです。最初に自分一人だけで戦って、負けそうになったら味方に乱入して助けてもらうということも当たり前の行為として行われます。

また、過去の遊戯王シリーズの世界観とキャラクターをパラレル設定として盛り込んでおり、各主人公こそ登場しないものの、人気キャラクターが何人か登場します。しかし、それぞれの作品からの選出基準が謎であったり、ストーリーの迷走を受け過去キャラクターもとんでもない言動を取るようになるなどがあり、この要素も失敗を大規模化した要因の一つになってしまっています。

僕の所感では40話付近からルールがおかしくなり、60話付近からシナリオが迷走し始めてどちらも改善することなくそのまま最終話、といった印象でした。



1.何故、製作は迷走を止められなかったのか?

どこからが迷走なのかもこの作品において非常に難しい問いなのですが、ニコニコ生放送におけるアンケートの不評さが話題になり始めるのが3年目に入って半年ほど経った頃ですので、その頃には概ね視聴者の不満は爆発を続けていたようです。製作スタッフもこの状況を一切知らなかったわけはないでしょうから、不評であることは知りつつも、フィードバック出来ずに製作を続けざるをえなかったということになります。長編アニメはフィードバック出来るのが強みといいますか、むしろフィードバックありきという部分もあり、悪い点があった場合に、それが改善されないと悪点が長期間垂れ流しになってしまいます。断言しますが僕を含め遊戯王アニメを見てる人はめっちゃチョロいので、少なくともラスト1クール分だけでも改善した形で出せていたなら状況は大きく変わっていたでしょう。あの状況で改善のための身動きも取れずにそっくりそのまま悪点を垂れ流しにしてしまうという製作構造といいますか、各スタッフの心理状況などはとても気になるところです。

僕は基本的にはクソアニメ好きなので、たまにスタッフ暴露話などで楽しいクソアニメの憎悪渦巻く血の製作模様の話などを聞くとしょんぼりしてしまうのですが、アークファイブに関しては後世のスタッフの暴露話を心待ちにしています。


2.何故、デュエリストはアークファイブを見続けたのか?

これは1よりも不思議に思っていて、まず僕に関して言えば、自分でも何故アークファイブを全話見続けたのか全く分かりません。出来はどうだったと言われれば、アニメの歴史における粗大ゴミそのものであったと言わざるをえません。しかし、それでも毎週見るのに苦労したかといえばそうでもなく、しかも、さらに不思議なことにあまり怒りのような感情はありません。僕に関して言えば、アークファイブがもたらしたものは真顔の虚無でした。(作品のテーマが「エンターテイメントによる笑顔」ですので正反対な点は面白いと思います)

勿論、炎上騒動じみたものも起こっていますので、怒りを覚えた方々も多数いたようです。しかし、そういう方々もここまでの出来の作品を長い間見続けたわけで、それは僕は驚くべきことではないかと思います。

長編アニメを見る場合、こちらが観たいものをこのスタッフは観せてくれる、という信頼感を持てることが大切です。それがなければ、視聴者側は何も見えない暗闇の中で彷徨うのと同じになります。この忙しいご時世において24分のアニメを何十話も見るのは大変なことです。僕らは148話もかけて何が見たかったのか、何も信じられない中で、何故ずっと暗闇の中を彷徨っていたのか。何が僕らにアークファイブを見続けさせたのか、今はもう分かりませんが、後世に分かるといいなと思います。


次の遊戯王はおそらく見ません。


では。

■鉄腕アトム(1963)を紹介 第111話「すごーい!あなたは竜巻が起こせるフレンズなんだね!」

鉄腕アトム(1963) 第111話ロボット・ポリマーの巻 脚本:豊田有恒 演出:富野喜幸

天に星がきらめく静かな夜。アトム、コバルト、ウランの3兄弟は枕を並べて眠りにつこうとしていた。3人がベッドに入ると、どこからともなく竜巻の唸るような轟音が聞こえてくる。こんな夜に一体何故?訝るアトム達の元へ、壁を突き破って謎のロボットが現れた。襲い掛かるロボットに対し、臨戦態勢を取り応戦する3人。しかし、ロボットは音の通り、竜巻のように凄まじい超スピードで回転していてアトムもコバルトも手が出せない。

「あら…?」

「あ、あれ…?いなくなっちゃった…」

3人が手をこまねいていると、現れた時と同様に、ロボットは突如姿を消した…

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