佐藤のこなみかん

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鉄腕アトム(1963)をちびちび見てたまに紹介。54話 捨て子と親

鉄腕アトム(1963)  54話 アルプスの決闘の巻 脚本:本間文幸 演出:林重行

アトムの前にアトムの生みの親、天馬博士が現れる。

天馬博士は今まで正気を失い、各地を意識がないまま彷徨っていたのだという。

今やっと正気に戻った、また一緒に暮らそう、と言う天馬博士をアトムは否定する。自分勝手だ、僕をサーカスにやったのはあなたでしょう、と。

そんな時、アトムの父、母、妹が敵役スカンクの手によって攫われてしまう。アトムに対して、3人を人質にマフィアへの協力を要求するスカンク。質の悪いことに、3人は”電磁ロボ”というロボット破壊専用の強力なロボットに守られているようだ。

頼みのお茶の水博士は今は海外へ出張中。家族のために背に腹は代えられないとアトムは天馬博士に助けを請うことを決意する。

天馬博士はアトムを快く歓迎するが、3人を助けることに条件を出す。

天馬博士のいう条件はもちろん、3人を救出したらアトムがまた息子として自分のもとへ戻ること。家族を助けるために家族と離れることを求められ、アトムは迷った。しかし、取れる選択肢は一つしかなかった。

「博士、教えてください、どうすれば電磁ロボットに勝てるんですか。お父さん達が無事に帰れば、僕は博士の元に戻りますよ。」

 

いやぁ、これ1964年の新年一発目の放送らしいのですが、いきなりハードな話してますなぁ。捨て子とよりを戻そうとする親と親を憎んですらいる子供の構図ということで、いつにもましてリアリティのようなものを感じてしまいます。そのアトムが家族を救うために身売りまがいのことまでやらされてしまう。アトムの精神年齢って具体的にどのくらいなのかちょっと分からないでいるんですけど、見てる感じだとクレヨンしんちゃんのしんちゃん(5歳)かもうちょっと上くらいなのかなぁって思ってるのですが、そんな子にとても酷な選択をさせています。

思えばアトムは父親に関しては天馬博士だったり今の父親(謎のところで謎に激怒する)だったり、大体困らされていて不憫です。当時のテレビの前のちびっこも、(アトムはアトムで大変だなぁ)と思ったかもしれません。

 

その後、アトムは天馬博士の助力により電磁ロボットを打ち破り、家族を救出した。無事を喜びアトムに感謝する3人だったが、アトムの顔は浮かない。約束を果すために天馬博士の元へ行かねばならない。アトムは家族には深く説明せず、行くところがあるとだけ言い残し飛び去る。

アトムが天馬博士の家へ着いた時、そこはすでに無人だった。アトムは一枚の書置きを見つける。

「可愛いアトム、わしはやっぱりいない方がよさそうだ。お父さん、お母さん、それに妹さんを大切にしてあげなさい。そして、たまにはわしのことも思い出しておくれ、さようなら。」

 崖の上に立つ孤独な家の中で、天馬博士を呼ぶアトムの声だけが響いた。

 

 天馬博士が何を思って心を変えたのかは深くは描写されません。物陰に隠れてアトムに助力していた天馬博士は、今のアトムの家族たちの様子を見てアトムの本当の家族は彼らだと思ったのでしょうか。

ちなみに天馬博士はアトムの後ろを追ってきてアトムに陰ながら助力していたので、直前までそこら辺にいたわけで、”アトムより先に家に帰れるのか?”というのがかなり疑問です。(台無し)

(まさか家を出る時にすでにあの置手紙を…?)とすら考えてしまったのですが、まぁ天馬博士というくらいなのでなんかめっちゃ早そうなのでアトムを上回る超スピードで家に帰って置手紙を残して去っていった説でいきたいと思います。

結論:天馬博士は早い

 

 

 それではまた!